生活費には、大きく婚姻時の生活費である婚姻費用と離婚成立後の子の養育費があります。
いずれも、夫婦双方の収入が幾らであるかの点がまず重要となります。この点、相手が無職であっても、働こうと思えば働ける場合には、従前の収入あるいは平均賃金を用いて、計算される事があります。また、自営業の場合、実際の収入が幾らなのか分かりにくい事がありますが、帳簿や通帳などでお金の出入りが分かる場合には実収入の証明が可能となる場合もあります。
収入の立証が困難である場合でも、丁寧に主張、立証することで、一定の収入を前提とした婚姻費用、養育費が認められたケースを数多く経験しております。
婚姻費用や養育費を算定する場合、東京、大阪の裁判官が策定した「養育費・婚姻費用の算定方式と算定表」を使って決めることが通例です。
この算定式・算定表は各収入、子の数年齢に応じて、平均的にかかる生活費(住居費、食費、水道光熱費、教育費など)を考慮して支払われるべき金額が算定されております。
裏を返せば、平均的な生活費を超える特別の費用については、算定方式・算定票では考慮されていない事になるため、相手方に負担を求めることが可能となります(例えば、お子様に持病があり、治療費が特にかかるとか、大学の入学費用、授業料など)。
これまで、特別の費用についても丁寧に主張・立証することで、相手方に負担が認められたケースを数多く経験しております。
婚姻費用の場合、別居解消又は離婚成立時まで、婚姻費用が発生し続けることになります。
これに対して、養育費の場合、お子様がまだ幼い時には将来の事がはっきりしないため、20歳までと定めることが多いですが、お子様が現に大学に進学しているなどの事情がある場合、20歳より上の年齢となることがあります。
養育費の終期についても、実情に応じて20歳より上(例えば大学卒業まで)を設定することが認められたケースを数多く経験しております。