「熟年離婚」の注意点
昨今、「熟年離婚」が増加傾向にあると言われています。
実際、私ども城陽法律事務所にも、熟年の方が離婚の依頼をされることも多いです。
熟年離婚の場合、注意すべき点が何点かあります。
1 退職金も財産分与の対象となる可能性が高い
退職金については、将来、実際に支払われるのか、支払われるとしても幾らなのかが不確定のため、
退職がかなり先の場合、財産分与の対象とならない事が多いです。
対して、熟年離婚の場合、定年退職までそれ程年数がないことが多いため、対象に含められる可能性が
高くなります。
2 財形貯蓄等がある場合、高額の可能性がある
勤務先で財形貯蓄等がなされている場合、これも財産分与の対象となります。
給与明細や財形貯蓄の残高証明書を開示してもらい、財産分与の対象として含めていく必要が
あります。
3 生活費(婚姻費用)において、年金受給者の場合、生活費控除割合が異なる
婚姻費用を決める場合、「算定表」を用いるのが一般的です。
しかし、これは給与やパート、自営収入を念頭においたものであり、年金受給者の場合、
生活費が収入に占める割合が異なることなどから、算定表通りには決められず、計算式にあてはめて
算定する必要があります。
4 年金分割を行う必要性が高い
結婚期間が短い場合、年金分割を行ったとしても、将来もらえる年金額が
それほど大きくは増えないと考えて、あえて年金分割は行わないという方も時々おられます。
対して、熟年離婚の場合、年金分割の対象期間が相当長いため、年金額が大きく変わる可能性が高く、
また、年金受給の時期が既に始まっているか間近いため、年金分割は行っておいた方がよい場合が多いように
思われます。
5 住宅についても清算を行う必要が高い
若年の方の離婚の場合、住宅を購入していなかったり、購入していたとしても、
ローンの額の方が住宅の価値を上回っており(オーバーローン)、財産分与の対象に
含めて考えないことが多いです。
対して、熟年離婚の場合、住宅ローンの支払が終わっているか、終わっていなくても、
ローンの残高よりも住宅の価値の方が上回っているため、財産分与において清算する必要があることが
多いです。この場合、どちらが取得して、住み続けるか等も検討する必要があります。
以上の通り、熟年離婚の場合、長年にわたり蓄積された夫婦の財産が多額のため、
間違った解決や中途半端な解決をすると、後悔される事が多いように思われます。
熟年離婚についても、解決実績が豊富です。
姫路で熟年離婚のため、弁護士に相談、依頼を考えておられる方は、
「城陽法律事務所」まで遠慮なくお問い合わせください。
お客様と一緒に、ベストの解決を図ります。