財産分与と損害保険金
交通事故などの損害保険金は、様々な費目で構成されています。
具体的には、入通院期間に対応した傷害慰謝料、後遺障害が残った事に対する後遺障害慰謝料、
後遺障害が残ったことにより、収入が得られなくなった、あるいは特別の努力により収入が維持されている
場合等の後遺障害による逸失利益などです。
この点、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料については、事故により負傷し、入通院治療を受け、
後遺障害が残ったことにより、被った精神的苦痛を慰謝するためのものであり、配偶者の寄与が
存在しない事から、本人固有の財産であり、財産分与の対象とならないのに対し、
後遺障害による逸失利益については、後遺障害がなかった場合に得られたはずの症状固定時以降の
将来における労働による対価を算出して現在の額に引き直したものであるため、稼働期間中の配偶者の寄与が
ある場合には、財産分与の対象となるものと考えられます(大阪高裁決定平成17年6月9日)。
従って、交通事故などの損害保険金のうち、一部については、財産分与の対象となる場合がある事に
注意が必要と言えます。
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