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2023年01月06日

離婚調停に提出すべき証拠-53 婚姻費用・養育費 事業収入に新型コロナ助成金等が含まれている場合

離婚調停に提出すべき証拠を解説いたします。

今回は、離婚に付随して、離婚成立までの間の別居中の生活費である婚姻費用を請求する場合で、

夫婦の一方に事業収入があり、その中に新型コロナ助成金等が含まれている場合について考えます。

新型コロナの感染が拡大して以降、国や地方公共団体から、様々な助成金制度が設けられました。

新型コロナ関連の助成金を受給した場合でも、税務申告においては、助成金の金額を収入に含める必要があります。

婚姻費用を算定するに当たっては、夫婦の一方が事業収入を有する場合、確定申告の控えを収入、所得を示す証拠として提出することとなります。

それでは、婚姻費用を算定するに際して、新型コロナ助成金等も収入に含めて考えるのでしょうか。

この点、不動産の売却によって得た金員や、競馬等で得た金員も、税法上、収入となりますが、離婚裁判実務においては、

一時的あるいは偶発的な収入に当たるため、婚姻費用の総収入に含めて考えないとする考え方が強いと言われています

(武藤裕一、野口英一郎共著、新日本法規刊「離婚事件における家庭裁判所の判断基準と弁護士の留意点」P89)。

同書では、「新型コロナ禍に伴い国や自治体から受給した助成金は、今後も同様の助成金が支給されるかは不透明であることに鑑みると、

継続的な収入とは認め難く、総収入に含まれないものと考えられます。」「例えば、飲食店等が受給した感染防止対策協力金は、・・・

その受給額を確定申告書の「所得金額」から控除して総収入の計算をすることとなります。」と解説されていることから、

確定申告の控えの他、損益計算書及び助成金の支給決定通知書等を証拠として提出し、確定申告の所得金額に、コロナ関連の助成金が含まれていること

及びその金額を明らかにし、当該金額を所得から控除して、婚姻費用を算定すべき旨、主張することが考えられます。

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