離婚調停に提出すべき証拠-㊱財産分与・宝くじの当選金
離婚調停に提出すべき証拠を解説いたします。
今回は、離婚調停や離婚訴訟に際し、合わせて財産分与を求める場合に、
宝くじの当選金をどのようにすべきかについて考えます。
一般的に、婚姻後に偶然に得た利益、例えば宝くじの当選金や競馬等の賞金などについても、
得た者の固有の財産となる訳ではなく、離婚の際の財産分与の対象になると考えられています。
そして、宝くじや馬券等の購入資金が、夫婦の収入から出された場合でも、また、小遣い(=特有財産)から
出された場合でも、第三者から得た資金から出された場合であっても、結論は同じで、離婚時の財産分与の対象になると考えられています。
これは、購入代金額は僅少であるのに対し、莫大な利益を得ている事から、代金と当選金との間に対価関係はなく、
全額を無償で得た偶然の利益と考えるべきであり、相続や贈与等ではなく、特有財産によって得た利益でもないから
特有財産には当たらないこと、夫婦間では一方が他方に対し、自分と同等の生活を保持する義務(生活保持義務)を負っており、
偶然に得た利益を夫婦の一方が独占すべき関係にはないこと等が根拠とされています(松本哲泓著「離婚に伴う財産分与」-裁判官の視点にみる分与の実務-
P104)。
ただし、当選金について、分与の割合については、当選金を得た者の個人的な運によるところが大きいことから、
修正がかけられる事が考えられます。
実務上、1,2割程度の修正がかけられている裁判例が見受けられます。
当選前に収入の1割程度を小遣いとしていたことから、1,2割程度は当選者が多めに取得することも許されるとの論評もあります。
そこで、離婚調停や訴訟において、当選前の小遣いの状況について、預貯金等で証明することが考えられます。
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