離婚調停に提出すべき証拠-㉟財産分与・債務が個人的なものである場合
離婚調停に提出すべき証拠を解説いたします。
今回は、離婚に伴い、財産分与を求めるに際し、相手方に負債があるものの、
負債が個人的なものである場合について考えます。
離婚時の財産分与においては、プラスの財産の他、マイナスの財産もある場合には、両者を通算し、
それでもプラスになる場合に、相手方に対して、財産分与を求めることが出来ると考えられています。
この点、親から相続したプラスの財産が離婚時の財産分与の対象とはならない事と同様、
相手方の負債が親から相続した負債である場合、財産分与において考慮されない事はお分かりいただけるかと
思われます。
それでは、親から相続した債務ではなく、夫婦の一方が自身で作った債務である場合、全て財産分与において
プラスの財産と通算されてしまうのでしょうか。
この点、家計を維持するために借り入れた債務(例えば、入院費用など)については、夫婦で共同して負担したものと考えられ、
離婚の際の財産分与においても、考慮される事には異論はないかと思われます。
しかし、ギャンブルや趣味、身内や友人に融資するための借金などについては、個人的な債務であり、
離婚の際の財産分与において考慮されないと考えられています(新日本法規刊、松本哲泓著「離婚に伴う財産分与-裁判官の視点にみる分与の実務-」130頁)。
負債については、財産分与の基準時(離婚調停等を申し立てた時点や離婚に向けた別居を開始した時点)の残高が分かる資料しか
離婚調停や訴訟等においては提出されない事が多いですが、これでは、借金の原因がギャンブル等である事までは資料上、分かりません。
そこで、例えば、趣味などの浪費であったり、JRAなどからの馬券の購入である事などを示すため、クレジットカードの利用明細や
通帳の履歴などの開示を求め、これに基づき立証することが考えられます。
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