離婚調停に提出すべき証拠-㉞特有財産に対する貢献
離婚調停に提出すべき証拠を解説いたします。
今回は、離婚調停、離婚訴訟等において離婚と合わせて財産分与を請求する場合で、
相手方の特有財産の維持管理に貢献がある場合について解説いたします。
離婚時の財産分与の対象となる財産は、夫婦共有財産であり、夫婦の収入から得た財産です。
婚姻中に、一方が自分の親から相続した財産については、これが証明できる場合、特有財産と判断されて、
離婚時の財産分与の対象からは外れます。
では、婚姻中に、夫婦の一方が親から相続した収益物件(アパート、駐車場等)があり、夫婦の他方が、
その維持管理に貢献していた場合(家賃の取り立てや修繕業務等)、離婚時の財産分与において全く考慮されないのでしょうか。
この点、「第4版離婚調停」(日本加除出版、秋武憲一著)P328は、
「原則として財産分与の対象とはなりません。しかし、夫の特有財産であっても、妻が長年にわたり
その維持管理に寄与した場合、それによって夫は、特有財産の価値を維持できたわけですから、
こうした妻の貢献を無視するのは公平に欠けます。そこで、実務では、こうした妻の維持管理分を財産分与において
考慮することがあります。」と解説しています。
そこで、特有財産の維持管理に寄与してきた事を、陳述書やアパートの管理の帳面等を提出することで
立証することが考えられます。
なお、財産分与において考慮される場合も、もともとは当該不動産等は相手方の特有財産であることから、
夫婦共有財産と同様に、当該財産の価値を単純に財産分与の価値に組み入れ、その半額をもらえるという訳ではない点には
注意が必要です。
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