離婚調停に提出すべき証拠-㉗養育費・医療費
離婚調停に提出すべき証拠を解説いたします。
今回は、離婚に付随して養育費を請求する場合において、医療費による
特別の経費加算を求める場合について考えます。
婚姻費用や養育費の算定表においては、標準的な医療費については織り込み済みです。
(例えば、年収200万円未満の場合、4278円、300万円未満の場合、8859円)
これを超えるような医療費がかかっている場合に、婚姻費用や養育費の基本月額部分とは別に、
加算を求めることができる場合があります。
ここで対象となる医療費については、病院の診察代や薬局での治療薬購入代等の治療費が含まれることは
当然として、ケースによっては、未成年者の歯科矯正費用や眼鏡代なども含み、家屋改造費も考慮すべき場合もある
とされています(「婚姻費用・養育費の算定」-裁判官の視点にみる算定の実務-新日本法規刊、松本哲泓著P136,
大阪高決平18・12・28)。
なお、高額医療費については、医療費の支払を行った後、一定額が後に支給される事となる事から、
高額医療費の制度を利用した後の自己負担部分について考える必要があります。
そこで、
・医療費の領収書(月々かかっている場合は、平均額がわかるよう、直近3か月程度~1年程度を用意)
・高額医療費の支給決定ないし高額医療費の支払通知書
・歯科矯正費用、眼鏡代、家屋改造費等の領収書
・歯科矯正や眼鏡、家屋改造等が医学的に必要であることが分かる、診断書、カルテ、医師の意見書
等を離婚調停等において証拠で提出することが考えられます。
なお、相手方に負担を求めることができる部分は、
医療費-算定表に考慮済みの標準的な医療費-高額医療費の受給額を夫婦双方の収入割合で按分した金額となります。
標準的な医療費の額をわずかに超えているという程度であれば、場合により調整されない場合も考えられます。
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