離婚調停に提出すべき証拠-⑫財産分与・特有財産(預金)
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚調停における財産分与で、特有財産があり、これを財産分与の対象から外すべき、
との主張を行う場合について考えます。
特有財産とは、夫婦の収入等で築いた財産ではなく、親から相続したり、
婚姻前から有していた財産など、財産分与の対象とはならない財産の事を指します。
原則、夫婦の共有財産との推認が働き、特有財産であることを主張する側がその旨、立証する責任を
負います。このため、財産分与において特有財産を主張する場合には、特有財産に該当することを示す客観的な証拠を
提出する必要があります。
この点、定期預金等の場合、婚姻前にいくらの残高があったのかが分かる通帳やその時点の残高証明書などと、
財産分与の基準時(別居開始時となる事が多いですが、ケースによっては離婚調停や婚姻費用分担調停を申し立てた時点や、
どちらかが明確に離婚を申し出た時点となる場合などもあります)においていくらの残高があったのかが分かる通帳やその時点の
残高証明書を提出することが考えられます。(ただし、定期の場合、満期になった後、別の預金番号となって預け替えている場合などが
あるため、別の預金番号となっている場合は、元々の預金との連続性がわかるように、途中の過程についても資料を提出する必要があります。)。
普通預金については、婚姻前の残高に、婚姻後の給与等の収入が複数回混入している場合等は、単純に婚姻前の残高-財産分与の基準時における残高と
見ることは出来ません。婚姻前の残高を考慮する場合でも、婚姻前の残高と、婚姻後に入った収入等を割合的に按分して考えることとなることから、
婚姻後、財産分与の基準時までの間に、いくらの収入が混入したのかが分かるよう、全過程の通帳ないし取引履歴が必要となります。
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