離婚調停に提出すべき証拠-⑥離婚原因・暴行脅迫
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚原因として暴行脅迫を主張する場合の証拠について考えます。
暴行・脅迫があったことを示すもっとも強い証拠としては、
録画データが考えられます。しかし、暴行・脅迫を受ける側が録画を行うことは現実的には困難であることが多く、
次善の策としては、秘密裏に録音した録音データが考えられます。ただし、発言しか記録されていないため、弁解される余地は
残すことから、その際に負った怪我の写真を残しておく(保存年月日時も残るようにしておく)など工夫が必要です。
怪我の写真を提出する場合は、写真だけでは、いつその怪我を負ったのかが不明であるため、写真データを保存した年月日時が
客観的に残るようにしておき、保存年月日時がわかる部分も証拠で提出するとよいかと思われます。
録画・録音データを離婚調停の証拠として提出する場合、データのみならず、発言を略さず録音反訳した書類も証拠として提出する必要があります。
また、暴行・脅迫がきっかけとなって、警察に通報したり相談している場合、DV防止法に基づき処理されているのであれば、
これを受理した記録が警察に残っているかと思われますので、その内容を回答してもらうことが考えられます。
この点は、離婚事件を受任した弁護士が、弁護士会照会を使って取り寄せることが考えられます。
ただし、通報の内容はあくまでもその時点にそのような内容の通報、相談等があったことを示すのみであり、実際の通報の内容通りの
事実が存在したのか否かは、その際の警察に対する相手方の弁解状況や怪我の写真等、他の客観的証拠、離婚が具体的に問題になった以降のものなのか、
それよりもある程度期間が離れているのか(離婚が具体的に問題になった以降の場合、作為や誇張が混じる一般的な可能性が考えられます。)
等を総合して信用性が評価されることになります。
また、暴力の結果、病院で治療するに至っている場合は、診断書の提出が考えられます。
ただし、診断書だけでは、怪我の内容は分かっても怪我の原因までは不明であるため、
カルテも入手し、カルテ内に「夫から殴られた」などと主治医がヒアリングした内容が書かれている場合に
これも提出することが考えられます。
思われている以上に、暴行・脅迫については、一定の証拠を提出したとしても、相手方が否認することが多いです。
暴力そのものの存在を否定する、あるいは、軽く叩いただけだとか、先に相手が手を出してきたのでやり返した、など
様々です。
このため、暴行・脅迫があった事に加えて、その際の状況(相手方が一方的に暴力を振るったのであれば、その状況)も
分かるよう、録音・録画の証拠がある場合は、提出すべきです。
このように、暴行・脅迫の立証は工夫を要する事が多く、離婚事件において弁護士が弁護を行う必要性の1つと考えられます。
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