離婚調停に提出すべき証拠-⑤離婚原因・一定期間の別居
離婚調停において提出すべき証拠をここでも解説いたします。
ここでは、離婚原因として一定期間の別居を主張する場合の証拠について解説いたします。
離婚原因としての別居を主張する場合、重要となるのは、単なる単身赴任等ではなく
離婚に向けた別居である必要がある点です。
そこで、別居を始める前の夫婦間等のLINEやメールのやり取り、あるいは別居後のやり取りから、
単なる単身赴任等ではなく、どちらかが離婚の意思を示し、これにより別居となっている事を明らかに
することが考えられます。
また、このような離婚に向けた別居をいつ始めたのかも問題となり得ます。
この点は、財産分与の対象となる財産の範囲はいつのものかについて、実務は離婚に向けた別居開始時と
考えていることから、財産分与の論点にも影響し得るところであり、重要です(時々、別居開始がいつかについて、数年単位で双方の主張が異なることがあり、
この場合、財産分与の金額が大きく変わる可能性があります。)。
別居を開始した事を示す証拠としては、まずは、住民票が考えられます。夫婦の住所から、いつ、単身、別の住所に移ったのかが
住民票上、分かります。では、相手方に住所を知られたくない等の理由から住民票を移していない事案ではどうでしょうか。
この点は、転居先のアパート等の賃貸借契約書(相手方に知られたくない場合は、物件名や所在等をマスキングして提出)や
転居先における水道光熱費等の支払を継続して行っていることを領収書や通帳で示し、夫婦がそれぞれの場所で独自に生計を立てていることを
明らかにすること等が考えられます。ただし、あまりに古い記録の場合、預金の履歴や公共料金の支払の記録等を取り寄せることが難しい場合もあり、注意が必要です。
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