調停期日内での注意点-③調停委員も誤った説明を行うことがある
離婚調停や離婚までの間の生活費である婚姻費用分担調停等を申し立てた際の
調停期日内における注意点をここでも解説いたします。
離婚調停等では、当事者間の離婚協議とは異なり、第三者である調停委員が双方からヒアリングを
行います。調停委員は、弁護士、司法書士、税理士、元会社の経営者、婦人会の方など民間の方が任命されています。
もっとも、離婚事件(離婚調停、婚姻費用分担調停、子の監護者指定、引渡調停など)については、弁護士が調停委員として選ばれることは
少ないです(弁護士が調停委員として選ばれる事件として典型は、遺産分割調停事件が挙げられます。遺産の範囲等の整理が必要な他、法的な論点が
多数あり、遺産分割の事案に応じて法律に詳しい弁護士が1名選任されることがあります。)。
調停委員2名と裁判官で、調停委員会を構成していることから、調停委員は、裁判官に、適宜、手続における当事者の主張や対立点等を報告し、
裁判官から意見や指示をもらって手続を進めます。
上記の通り、離婚事件における調停委員は、弁護士以外の方が選任されることが多いです。
このため、法的に間違った説明を調停委員が当事者に行うことが時々あります(他県の家庭裁判所の事案でしたが、弁護士が調停委員についている場合でも、
間違った説明をされた経験が当職にはあります。)。
また、一般論としては正しい説明であっても、その事案の特殊性に対応した説明という観点が抜けており、
一般論どおり事件を処理しようと、当事者を説得しようとしてしまう調停委員も時々おられます。
離婚調停に弁護士が代理人としてついている場合は、適宜、その点を指摘したり議論する事が可能ですが、
ご自身で離婚調停をされている場合、「調停委員がそう言うのなら、従わざるを得ないか」と考えてしまう方が
多いかと思われます。
離婚事件において、訴訟になった場合は弁護士を代理人として付けようと思っているが、調停段階では話し合いだから、
自分だけで大丈夫、とお考えの方もおられるかと思いますが、上記の通り、当事者間の話し合いと異なり、説得する相手方は
調停委員を含む裁判所であることから、法的な議論も含めて、的確な主張立証を行い、調停委員及び裁判官を説得するには、
調停段階から弁護士に依頼しておいた方がよいのではないか、不利な結論を調停委員会から解決案として示されずに済むのでは無いか、
という辺りに、離婚事件の調停段階における弁護士の関与の必要性の1つが見受けられます。
また、離婚事件の現在の実務や裁判例、議論の状況をできるだけ理解している弁護士に依頼することが有用と言えます。
離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。
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