調停期日内での注意点-①代理人を依頼した場合、本人は出頭する必要があるか
離婚調停や婚姻費用分担調停を申し立て、調停が係属した後の
注意点について、ここでは解説いたします。
離婚調停や婚姻費用分担調停などの手続の期日が設定されますが、
裁判所は休日は開いていないため、平日の昼間の時間帯となります。
弁護士を代理人としてつけた場合に、当事者本人は調停に出頭する必要があるのでしょうか。
この点は、裁判所は、離婚調停等においては、代理人として弁護士をつけている場合であっても、
原則、本人も出席が必要との立場を取っています。
これは、事前に申立書や意見書等で、考え方や意見が書かれている場合であっても、その内容等について
更に補充して、調停委員が本人に直接確認したい事項が出てきたり、離婚調停等においては、離婚する、しない等の基本的な点の
確認も必要ですが、性質上、本人に直接意思確認し、意思が固いことを確認する必要がある等によります。
なお、実際上の問題としても、相手方から新しい事実の主張や財産分与その他について、解決案の提案等があった場合に、本人が出席されていなければ、
代理人が認否、反論等をその場で行うことはできず、持ち帰って検討し、次回調停期日までに回答する、等の対応を取らざるを得ず、
解決がそれだけ遅れるという事にもなります。
また、当職の考えとしては、申立書等で離婚に至る経緯等が書かれていたとしても、書面だけ読んだ場合と、
当事者と話をし、人となりも含めて事案を理解した場合とでは、印象も異なる部分があり得るのではないかと考えています。
以上から、城陽法律事務所では、離婚調停や婚姻費用分担調停等を依頼いただいた場合でも、
依頼者ご本人にも原則として弁護士と一緒に出席いただく形でお願いしています。
ただし、調停期日の回を重ね、お互いの主張や証拠の整理のみで、次回期日は進展がなさそうである場合などは、
お仕事等の都合により、代理人弁護士のみ出頭するという形をとる事はあります。
なお、離婚調停と異なり、離婚訴訟の場合は、当事者尋問(証人尋問)等は別として、口頭弁論期日や弁論準備期日(主張、証拠を整理する手続)
では、代理人弁護士のみ出頭がむしろ一般的(もちろん、当事者本人も出頭する権利はあります。)です。
また、婚姻費用分担調停や別居中の子の面倒を誰が見るかをきめる、監護者指定の調停等が不成立となり、
審判に移行した場合は、「審問」期日が開かれ、そこでは裁判官が当事者に直接、審判を書く上で必要な確認事項を
質問して当事者から回答を得る事が想定されており、裁判所が本人の出頭が不要と言わない限り、出頭いただく必要がある点で
調停と異なります。
離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。
豊富な解決実績に基づき、お客様と一緒によりよい解決方法をかんがえます。