調停時の注意点-⑫申立書等の書き方2 誰が読んでも同じ意味になる文章で書く
離婚調停や婚姻費用分担調停などを申し立てる際の注意点を
ここでも解説いたします。
前回の解説では、申立書や主張書面は、「簡にして要を得た記載」が望ましいのではないかという事を
書きましたが、その中で、「誰が読んでも同じ意味になる文章を書くことが重要」と書きました。
今回はこの点を掘り下げます。
例えば、「相手方は、○月○日、実家に子を連れて移り住み、以降、申立人と別居が続いている。」
と記載したとします。このような記載は、婚姻費用分担請求や財産分与において意味を持つ記載です。
(婚姻費用分担請求は、理論上、離婚に向けた別居を開始し(同居事案の場合は別居は不要)、かつ、婚姻費用請求の意思が明確に示されている時点以降の分が
精算の対象と考えられますし、財産分与は通常、離婚に向けた別居を開始した時点が基準時となります。)
しかし、上記の記載は厳密には問題があります。それは、「実家」が「申立人の実家」なのか「相手方の実家」
なのかが記載されていない点です。
通常は、自分の実家、すなわち「相手方の実家」を指す方が可能性的には多いかと思われますが、
時々、希に、配偶者の実家に移り住んでいる事例もあります。
その他の記載と合わせると、「相手方の実家」と分かるという場合にはまだよいのですが、そうでなければ、
念のため確認が必要となります。なお、調停委員が口頭で確認したり、メモに取った事項は裁判所の記録につづられない(=後に裁判官が
書面を読んでも、記録上、情報が補充されていない)という問題も残ります。
このように、複数の読み手に同じ意味に伝わる文章としては、5W1Hを意識して、この点を省略しない、という方法が
あります。(他の例としては、申立人は○○と言った、とするのではなく、申立人は△△に対し、○○と言った、など。
但し、全て省略せず書くとかえって文章がくどく、わかりにくくなるという場合もあるため、取捨選択は必要です。)。
複数の読み手に同じ意味に伝わる文章を書くことで、ご自身の述べたい点が正確に読み手に伝わることが期待できます。
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