調停時の注意-⑦調停不成立の場合の以降の進展をふまえた調停の申立て
離婚調停や婚姻費用分担調停等を申し立てる際の注意点を
ここでも解説いたします。
離婚調停や婚姻費用分担調停を申し立て、当事者間で合意に達した場合には
調停成立により事件が終了することはおわかり頂けるかと思います。
では、相手方が欠席したり考え方の開きが大きく、差が埋まらず合意に達しない場合は
どうでしょうか。
まず、離婚調停については、調停不成立で終了した場合、調停事件が終結するのみとなります。
更に手続を進めたい場合には、当事者が自ら離婚訴訟を申し立てる必要があります。
(なお、離婚調停と離婚訴訟は連動しておらず、一から訴状や証拠を提出する必要があります。戸籍謄本や弁護士に依頼した場合の
委任状も改めて必要となります。)
これに対して、婚姻費用分担調停や面会交流調停、子の監護者指定、子の引き渡しの調停、離婚が既に成立している場合の財産分与調停や養育費調停などの
家事事件手続法の別表二に記載されている事件については、調停が不成立になった場合、当事者の申立を要さず自動的に、審判手続に移行し、
裁判官が審理の上、審判の形で結論を出します。審判も判決と同様、強制力や執行力があり、相手方が不払いを起こした場合、強制執行が可能となります。
従って、相手方が離婚に簡単には応じないであろうとの見込みの場合、離婚調停のみを申し立てた場合、相手方はそもそも出頭してこない、という可能性も
考えられますが(結局、不成立で終わるため)、離婚調停と合わせて婚姻費用分担調停を申し立てた場合、少なくとも婚姻費用が決まることから(相手方不出頭でも
審判手続に移行するため。)、不利益を受けないために相手方が調停手続に出頭する可能性が高まるという事になります。
離婚調停と婚姻費用分担調停を申し立て、離婚自体には争いがあることが判明した場合、まずは婚姻費用について争点を整理して結論を出すことになるのが
一般的です。その上で、その段階でも離婚については全く考えていないのか、条件次第では離婚に応じることも考えられるのかを見ることが多いです。
離婚を求める側からすると、まずは婚姻費用を決め、その結論を踏まえて離婚の条件を提案する(例えば、婚姻費用の考え方は養育費の考え方に連動します。)
ということが選択肢となります。法律上の離婚原因として弱い、あるいは証拠が薄い場合、この段階で財産分与や養育費等で譲歩した条件を提案することも一案となります。
ただし、以上は一般論ですので、事件の中身や事件の実際の進み具合、裁判所の事案の見方や事件の進め方、相手方の重視するポイント等を総合的に判断して、
適切な時期に適切な提案を行う必要があるため、経験を有する弁護士に依頼して事件を進めることが有用といえます。
離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。
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