離婚までの間の別居中の婚姻費用に、転居費用は含まれるか
離婚を行うに際し、まずは別居をされる方が割合的には多いかと思われます。
離婚の条件を整えるまでの間は、別居中の生活費である婚姻費用の支払が問題となりますが、
この婚姻費用に別居開始に当たって必要となった転居費用等は含まれるのでしょうか。
この点については、原則としては婚姻費用には引越費用等は含まれないと考えるのが、
実務の一般的な取り扱いと考えられます。
もっとも、別居に至った経緯、原因等によっては、特別の費用として婚姻費用の加算が認められる可能性が
あります。
近時の裁判例(東京家裁平成31年1月11日審判)では、
相手方が不貞行為を行い、突如家を出て別居を開始し、その後、弁護士を代理人に立てて、
家から出るように通知や調停内で要求したことから、近くの賃貸住宅に転居した事案について、
「相手方の一連の行為によりやむを得ず転居したものであり、夫婦の問題には関係のない、子らの生活環境の変化を最小限にしようとするものであって
合理性があり、その広さや賃料額も、従前の生活や親子3人の一般的な生活水準に比して不相当に広く、高額であるということも
できない」として、婚姻費用の算定表で考慮されている標準的な住居費を超える部分につき、収入比で按分して分担すべきである
と判断されています。
どのような事案でも転居費用の負担を認めるというものではなく、例外的なケースと言えますが、
参考になる裁判例と言えるかと考えます。
離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮無くご相談ください。
豊富な解決実績にもとづき、お客様と一緒によりよい解決方法をかんがえます。