離婚事件において弁護士が代理人がつく事の意味
離婚事件は、夫婦双方が話し合いを行い、納得のいく解決ができれば、
本来、弁護士が代理人につく必要はないのかもしれません。
(合意される内容が法的に適合しているのか、という問題は残るかもしれませんが。)
では、弁護士が離婚事件の代理人につく意味はどのようなところにあるのでしょうか。
①依頼されている事柄について、直接、相手方とやり取りをする必要がない。
代理人が就いていない場合、相手方から質問や要求事項などが来た場合、ご自身で返答
する必要があります。
これは、離婚をするか否かや、離婚の条件を協議しておられるご夫婦には、大きなストレスに
なる事かと思われます。
特に、相手方が執拗であったり、言葉遣いが荒かったり、DVやストーカー行為を行う恐れがある場合には、
直接のやり取りを行うことには困難を伴います。
また、突如、別居を行い、離婚や離婚までの生活費(婚姻費用)の請求を行う場合、相手方から連絡が
来ることが容易に予想されます。
弁護士が代理人に就いている場合、依頼されている事項については、
「直接話をすることができないから、弁護士を通じて欲しい」と正当に相手方に告げることができます。
必要に応じて、調停等以前に、弁護士から受任通知を相手方に出すことも可能です。
代理人が就くことは、相手方との関係で、特に、調停、訴訟手続を行う場合に有効となるように思われます。
示談交渉の場合、代理人と相手方の文書、電話等のやり取りになるため、レスポンスが早くなりますが、
こちらの主張等に対し、即座に相手方が反応することが予想され、場合によっては紛争の収拾がつきづらくなる事も
考えられます。
対して、調停、訴訟等の場合、期日は1か月に1回程度となる事から、相手方が反論を行う場合も1か月おきという
事となり、細かい点等での応酬が無くなり、本筋に絞って、時間の経過と共に紛争が解決する場合があります。
②必要な主張書面や証拠の提出を弁護士が行う。
事実関係については、ご本人しか体験しておられないため、時系列でまとめて頂くなど、
ご本人の協力が不可欠となりますが、裁判所に提出する主張書面は、このような事実関係や法的見解も含めて、
弁護士が作成し、提出することが多いかと思われます。
また、頂いた資料を証拠として提出する作業も弁護士サイドで行います。
特に、相手方から離婚調停等の申立を受けた方の場合、弁護士に依頼しても、
裁判所から書類が届いているため、全てご自身が作成しなければならない、と思われている方が多いため、
書かせていただきました。
③調停等において、必要なフォローを弁護士が行うことが可能。
調停委員によっては、話し合いをまとめるため、法的に厳密に考えると必ずしも正しくない形で
妥協を迫ることがあります。(例えば、慰謝料の額や養育費の額、財産分与など)
もちろん、調停を決裂させて、訴訟、審判等に移行した場合に、立証しきれるかや、相手方の支払能力等を
考え、妥結することが適切な場合もありますが、必ずしも妥協を要する場面ではないにもかかわらず、
妥協を迫られることが、ご相談をうかがって判明することがしばしばあります。
ご自身にとっては、通常、初めての事ですので、調停ではご自身の考えを十分述べることが難しいこともあるでしょうし、
相手方の主張や意見に対し、適切に反論や補足の資料の提出を要求するなどの対応が必要となります。
弁護士が代理人に就いている場合、このような判断を弁護士が行うことが可能です。
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