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2017年09月20日

財産分与でよくある誤解

今回は、財産分与の基準時が「経済的分離がなされた時点」である事について

お話しします。この点につき、一般的に誤解が多いため、要注意です。

 

離婚を成立させる際に、財産分与についても取り決めを行う事が

一般的です。

 

財産分与については、いつの時点の財産を基準に、価値を分け合うかが問題となります。

この点は、「別居開始時の数量を基準とし、価値が変動するものについては、財産分与の取り決めを

行う時点、すなわち、調停であれば調停成立時点、訴訟であれば口頭弁論終結時点である。」と

されております。

 

例えば、夫婦の財産として、別居開始時点に株式が1000株あり、その時点では1株100円だったものが、

調停成立時には株式が2000株あり、1株200円となったとします。

この場合、株式が1000株から2000株に増えていますが、株式分割などにより、もともとの株式が増えただけ、という場合は

別として、例えばどちらかが1000株を買い増したとしても、1000株を基準に考えます。

価格については、調停成立時の1株200円で計算することのなります。

 

ここで、誤解があるのが、「別居」です。例えば、家庭内別居の場合や、単身赴任の場合、あるいは仲違いして

別居しているものの、家賃や生活費の負担などを行い合っている場合はどうでしょうか。

 

この点は、財産分与の趣旨に遡って考える必要があります。

財産分与は、夫婦の実質的な共有財産を離婚を機に、公平に分配することを目的とする制度です。

財産分与を正当化する根拠は、「夫婦が経済的に協力関係に立つ事により、財産の増加、維持に功労がある」事に

よります。

 

そうしますと、家庭内別居や単身赴任のケースでは、例えば夫が住宅ローンを負担したり、妻や子の携帯電話代その他を負担するなど、

経済的には分離されていない事がほとんどでしょうし、別居はしているものの、夫婦が費用負担をし合っているパターンでは、

経済的に分離されていない事となるため、財産分与の基準時は、経済的な分離を明確に求めた時点、

すなわち婚姻費用分担調停を申し立てた時点という事と考えるのが合理的であり、

当事務所の扱ったケースでも裁判所により同様に判断されております。

 

実際には、判断が分かれ得るケースもあり得ますので、ご自身のケースでどのように考えるべきか、

姫路の離婚事件で評判の城陽法律事務所までお気軽にご相談ください。

 

 


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