離婚調停に提出すべき証拠-68 車等が存在し、そのローンも残っている場合に、オーバーローン部分を他の財産に通算することの可否|弁護士ブログ|離婚相談・離婚調停のお悩みは姫路市の城陽法律事務所へ

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2025年04月03日

離婚調停に提出すべき証拠-68 車等が存在し、そのローンも残っている場合に、オーバーローン部分を他の財産に通算することの可否

離婚調停においては、財産分与、養育費、慰謝料等も合わせて取り決めを行う、逆に言えば、

財産分与その他の条件が整わなければ離婚調停を成立させない、という方針を採られる方が多いかと

思われます。

 

このうち、財産分与については、何か(自宅、車その他)を購入した際のローンが残っている場合に、

他の財産と通算を行うかにより、財産分与の結論(どちらがどちらに幾ら支払うべきか)が大きく異なる場合が

あります。

 

この点について、最高裁の判例はこの記事を記載している段階においては存在しないものと

考えられ、下級審の裁判例や実務の運用を元に考えていくこととなります。

 

公刊物上、ある物品の時価とそのローンを比較した際、ローンの方が大きいというオーバーローンの場合に、

その物品以外の財産(預金等)に通算する(他のプラスの財産の価値から、オーバーローン分の額を差し引く)ことが

できる、という通算説の立場を採る裁判例、できない(あるいは行わない)という非通算説の立場を採ったと思われる裁判例の

双方が存在します。

一般論としては、個々の裁判官により、どちらの説を採るか分かれ得る状況と言えますが、どちらかと言えば、通算説の考え方を

採る裁判官の方が多いのではないか、というのが、これまで調停等を通じて裁判官の考え方、調停案等に触れてきた感想です。

但し、非通算説を採る旨述べられた裁判官もおられましたし、例えば、不動産については兎も角、自動車については、利用価値に着目して

購入されたものと考えられ、購入した瞬間にいくらか時価が減る事が実際上、存在したとしても、元々のローン返済予定通りの価値は持ち続けるものと見て

(分割払の場合に、その月の残ローン額程度の価値を持ち続けるものと見て)、車とローンを対等額とみて、プラスマイナス0円で考えるべき、

という裁判官もおられました。

ただし、非通算説を採る根拠は、購入と同時に中古化等する事により(中古の場合でも、転売価値を業者が得るため、買取額はより低くなる。)、

あるいは経年劣化により、価値が減少したとしても、残ローン額程度の価値は、当該物品が残存していると見る事ができる、という擬制(フィクション)を根拠としていますので、

例えば、車の場合は、事故であるとか昨今問題となった雹被害等により、車が破損し、車の価値が大きく下落している等の特別の事情が

存在する場合は、残ローン額程度の価値は存在していると見る前提を欠いている事になるため、通算を行う事とするなど、一律に非通算の立場を

採っている訳ではない点に注意を要します。

 

以上からしますと、ローンの元となった物品の資料(不動産であれば全部事項証明書(登記簿謄本)、車であれば車検証の写し)、

物品の現在の価値を示す資料(不動産であれば固定資産評価証明書ないし固定資産税通知書内の評価額の記載のある部分や不動産業者の査定書、

車であれば、車買取業者やディーラーの査定書やレッドブック(同車種、同型式、同年式のものが中古車市場上、いくらで売り買いされているか、

平均額が掲載されている冊子)等)を提出することが考えられ、その他、価値を大きく下落させる事情がある場合は、その資料(不動産、車等の

破損箇所の写真、修理費用の見積もり、これを踏まえた業者の査定書等)を提出することが考えられます。

 

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