離婚調停に提出すべき証拠-⑨離婚原因・犯罪行為、服役
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚原因として、相手方の犯罪行為や服役を主張する場合の証拠について
かんがえます。
離婚原因として犯罪行為を主張する場合として、配偶者に向けられた犯罪行為の場合とそれ以外の犯罪があります。
配偶者に対して暴行、脅迫等を行った場合に、民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たり得ます。
第三者に対する犯罪行為であったり、覚せい剤や大麻等の被害者のいない犯罪行為であったとしても、例えばこれにより
それなりの期間、服役する事となった場合などは夫婦の共同生活を続けることが困難であるため、法律上の離婚原因として認められる場合があ
あります。
この点、当該犯罪で起訴され、有罪判決が出て確定している場合には、例えば新聞報道やインターンネット報道の記事などを
提出することが考えられます。また、ご自身が被害者の事件である場合には、公判で取り調べられた証拠などを犯罪被害者の立場で
その写しを取得することができ、これを提出することが考えられます。
実際には、有罪が確定している事件でかつ、起訴内容に争いのない自白事件の場合に、相手方がそのような事件は無かった等と
離婚調停、訴訟において否認してくることは少ないかと思われますが、ご自身が被害者の事件である場合の暴行、脅迫などについては、
刑事事件で認められたものよりも、内容や程度を実際よりも軽く主張するなど一部否認的な対応をとってくる事も考えられるため、公判で取り調べられた証拠や
公判廷での相手方の供述(被告人質問)の内容の記載された公判調書を取得するなどして、犯罪の具体的内容まで示す証拠を予め取得しておく事が有用です。
これに対し、例えば、ご自身に対する暴行・脅迫等の場合で、何らかの事情で起訴までされていない場合(例えば、その時は相手方を許そうと思い、
逮捕だけで帰してもらう事にした等)には、裁判での証拠は存在せず、また、そもそも取り調べで調書が作られていない可能性が十分あることから、
取り調べを行った警官にその際の相手方の供述内容がどのようなものであったかを聞き、陳述書ないし報告書の形でまとめる、あるいは裁判所を通じた
調査嘱託の申し出を行うなどが考えられます(ただし、警官も数多くの事件を担当しているため、あまり古い事件であると、どのような供述内容であったか
覚えていない可能性もあるかと思われます。)。
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