離婚調停に提出すべき証拠-⑭財産分与・不動産
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚時の財産分与において、不動産の分を行う場合について考えます。
預金や現金の場合は、財産分与の基準時における価値は誰が見ても同じであり、
論点が生じにくいのに対し、不動産については、評価の仕方が問題となります。
まずは、固定資産評価額(固定資産税を決定するに当たって、行政側が認定した不動産の価値)を
参照する必要がありますが、固定資産評価額は実勢価格とは乖離がある場合があります。
この点に ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑬財産分与・特有財産(遺産相続)
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚調停における財産分与において、「○○の預金があるが、これは親から相続したものであり、
離婚時の財産分与の対象外である」と主張する場合について考えます。
このような主張を行う場合、まずは、いつ、誰から、いくらの財産を受け取ったのかを明らかにする必要が
あります。
亡くなられた方の除籍を取得すると、いつ亡くなられたのかを示すことができます。
また、遺産分割の結果については、遺産分割協議書や遺 ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑫財産分与・特有財産(預金)
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚調停における財産分与で、特有財産があり、これを財産分与の対象から外すべき、
との主張を行う場合について考えます。
特有財産とは、夫婦の収入等で築いた財産ではなく、親から相続したり、
婚姻前から有していた財産など、財産分与の対象とはならない財産の事を指します。
原則、夫婦の共有財産との推認が働き、特有財産であることを主張する側がその旨、立証する責任を
負います。このため、財産分与において特 ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑪離婚原因・有責配偶者からの離婚請求(有責者側)
離婚調停に提出に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚を行う際に、不貞行為や一方的な暴力等を行った事に争いがない=有責配偶者であることに
争いがない場合の有責配偶者側からの離婚請求の場合の証拠について考えます。
最高裁の判決(昭和62年9月2日)は、
「有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間の対比において
相当長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・
経済 ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑩離婚原因・強度の精神病
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、相手方の強度の精神病を離婚原因として主張する場合を解説いたします。
離婚原因としてよく知られているものとして、民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」が
ありますが、これ以外にも民法770状1項4号「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」
などがあります。「強度の精神病」を主張する場合、どのような証拠を離婚調停で出すべきでしょうか。
ここで注意すべきは、離婚原因としての「強度 ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑨離婚原因・犯罪行為、服役
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚原因として、相手方の犯罪行為や服役を主張する場合の証拠について
かんがえます。
離婚原因として犯罪行為を主張する場合として、配偶者に向けられた犯罪行為の場合とそれ以外の犯罪があります。
配偶者に対して暴行、脅迫等を行った場合に、民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たり得ます。
第三者に対する犯罪行為であったり、覚せい剤や大麻等の被害者のいない犯罪行為であったとしても、例えばこれにより ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑧離婚原因・悪意の遺棄
離婚調停において提出すべき証拠をここでも解説いたします
ここでは、離婚原因として「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)を主張する場合の証拠について
考えます。
悪意の遺棄の例としては、相手方が理由なく一方的に家を出て行き、
置き去りにした上、生活費の負担を全くしないという場合が考えられます。
もっとも、実際のところは、別居の原因がどちらか一方のみという事は少なく、
通常は、夫婦の価値観、考え方の相違あるいは性格の不一致を原因としている事が多く、 ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑦離婚原因・ギャンブル等浪費
離婚調停において提出すべき証拠を解説いたします。
ここでは、離婚原因として相手方のギャンブル等の浪費を主張する場合に
提出すべき証拠を考えます。
離婚調停や離婚訴訟で、ギャンブルや服飾品等での浪費を主張されることは時々あります。
しかし、法律上の離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」があると評価されるには、
浪費の幅が著しく看過できないレベルである事を示す必要があります。
これは、裁判で離婚が認められる場合、一方は離婚をしたくないと述べている場 ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑥離婚原因・暴行脅迫
離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。
今回は、離婚原因として暴行脅迫を主張する場合の証拠について考えます。
暴行・脅迫があったことを示すもっとも強い証拠としては、
録画データが考えられます。しかし、暴行・脅迫を受ける側が録画を行うことは現実的には困難であることが多く、
次善の策としては、秘密裏に録音した録音データが考えられます。ただし、発言しか記録されていないため、弁解される余地は
残すことから、その際に負った怪我の写真を残しておく(保存年月日時も ...
離婚調停に提出すべき証拠-⑤離婚原因・一定期間の別居
離婚調停において提出すべき証拠をここでも解説いたします。
ここでは、離婚原因として一定期間の別居を主張する場合の証拠について解説いたします。
離婚原因としての別居を主張する場合、重要となるのは、単なる単身赴任等ではなく
離婚に向けた別居である必要がある点です。
そこで、別居を始める前の夫婦間等のLINEやメールのやり取り、あるいは別居後のやり取りから、
単なる単身赴任等ではなく、どちらかが離婚の意思を示し、これにより別居となっている事を明らかに
することが考えられ ...