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2019年10月24日

離婚時の財産分与でよくある誤解2

離婚の際には、財産分与について取り決めを行うことが多く、

離婚の条件として財産分与が整わないと離婚自体も成立させないという事が多いことから、

離婚自体に争いがないケースにおいては、一番大きな争点となることが多いです。

財産分与でよくある誤解として、「財産分与は、夫婦の実質的共有財産を対象として

価値を算定する」との文脈の理解が挙げられます。

時々、「まだ離婚が成立していないにもかかわらず、名義が相手方であることをいいことに、

夫婦の実質的共有財産である○○を勝手に ...

2019年09月26日

離婚時の財産分与の対象とならないと考えられる財産

離婚時には、財産分与についても取り決めを行うのが一般的です。

この点、株式については離婚の際の財産分与の対象となり、公開株式については

市場価格で価値を決め、非公開株式については、評価の方法が複数あり得るところですが、

会社の規模、性質、財産、収入等に応じて適切な評価の方法を選択することとなります。

それでは、医療法人の持ち分についてはどうでしょうか。

この点、平成18年の医療法改正後に設立された医療法人の場合、剰余金の分配のみならず、

解散時の残余 ...

2019年08月07日

別居期間が長いと、必ず離婚できるのか?

離婚について、双方が合意できない場合、離婚訴訟では、

法律上の離婚原因である、「婚姻を継続し難い重大な事由」が存在するか否かを

裁判所が判断することとなります。

この点、不貞行為や暴力などの明確な離婚原因がない場合に、

主張されるのが、別居期間です。

単身赴任等の事情を除いた別居期間がある程度の期間(具体的には相手方の落ち度の有無程度により、3~5年程度)

になっている場合、夫婦関係が破綻しているのか否かの一応の物差しになるとの見方は実務でも

なされて ...

2019年07月19日

性交渉の拒絶と離婚原因

離婚を求めたところ、相手方がこれを拒絶する場合、

離婚訴訟では、一方が離婚を望まない場合でも離婚を余儀なくされる事情、すなわち、

法律上の離婚原因があるか否かが審理されることとなります。

それでは、夫婦間で一方が性交渉を拒絶し続けているという場合、

民法770条1項5号に言う、「婚姻を継続し難い重大な事由」の離婚原因があると

言えるのでしょうか。

この点、性交渉の拒絶と言っても、ケースは様々であり、

体調その他の健康上の理由で拒絶したとい ...

2019年06月18日

離婚時の財産分与と住宅ローンの処理に関する裁判所の考え方の変化

離婚を成立させる際に、合わせて財産分与の取り決めを行うことが多いことは、

みな様もご存じの事かと思います。

この離婚の際の財産分与は、基本的には夫婦の財産の名義の如何を問わず(婚姻前からの金額や親から相続した財産などは除きます。)、

基準時(通常は別居開始時または離婚調停申立時)にある全ての財産を合算して、

原則、半分ずつ分ける(2分の1ルール)というのが基本となります。

それでは、住宅ローンがある場合の離婚時の財産分与の処理はどのようになるのでしょうか。 ...

2019年06月07日

親権者の変更について

離婚の際に、子がいる場合、親権者の取り決めをしなければ

離婚を成立させることができない事は、ある程度広く知られているのではないかと

思われます。

離婚の際に一旦、親権者の取り決めを行った後、親権者ではない親が

離婚後に、親権者の変更を申し立てることがあります。

では、離婚の際に親権者をどちらにするかで争いがある場合に、

用いられる基準と、離婚時に一旦、親権者を取り決めた後に親権者を変更するか否かで争いがある場合に

用いられる基準では違いが ...

2019年05月17日

離婚が成立するまでの間の子の監護について

離婚を成立させるには、子がいる場合、子の親権を定めることが必要です。

このため、親権に争いがある場合、この点を調整しなければ、協議離婚、調停離婚が成立

しないこととなります。

例えば、相手方に不貞行為や暴力など、明白な離婚原因があり、これが立証できるという場合には、

離婚調停を不成立で終わらせた上で、離婚訴訟を起こし、判決で親権についても裁判官に決めてもらうことが

可能となります。

対して、このような明白な離婚原因の立証ができない場合、離婚調停を不成 ...

2019年03月28日

不貞行為による慰謝料を請求する場合の注意点

不貞行為により離婚せざるを得なくなった慰謝料(離婚慰謝料)や

不貞行為による慰謝料(不貞慰謝料)を請求する場合に、どのような注意が必要でしょうか。

まず、1点目は、前回情報提供させていただいた、最高裁の判決の存在です。

離婚慰謝料は原則として配偶者に対してしか請求できない、というものです。

原則どおりの場合、配偶者が賠償すべき金額と不貞行為の相手方が賠償すべき金額では、

通常は異なる(後者の方が金額が低い)ことが多いかと思われます。

2点目は、不貞慰 ...

2019年02月20日

重要-第三者に対する不貞行為を理由とした離婚慰謝料請求を最高裁が否定

配偶者が不貞行為を行った場合、配偶者に対し、

①不貞行為自体による慰謝料請求を行うことも、

②不貞行為により離婚せざるを得なくなったことに対する慰謝料請求を行うことも

可能です。

これまで、実務では、更に、不貞行為の相手方(第三者)に対しても、①はもとより

②も請求可能と考える立場が圧倒的に多い状況にありました。

しかし、平成31年2月19日  最高裁判所第三小法廷   は、

「離婚による婚姻の解消は,本来,当該夫婦の間で決められるべき事 ...

2019年01月11日

離婚以外の条件がまとまらない時の対応

離婚の際には、親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割についても

合わせて取り決めを行うことが通常です。

この点、よくあるのは、当事者間で協議を行ったところ、離婚することには

争いがないものの、例えば、財産分与、慰謝料、養育費など財産的な部分で折り合いがつかない、

とか、親権にも争いがあるなどのケースです。

未成年のお子様がいる場合、親権の取り決めをしなければ離婚できないため、親権を後回しにして

離婚だけ先に成立させるという事はできません。 ...


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