新型コロナウィルスによる裁判所での離婚手続きの影響
新型コロナウィルスの影響により、多方面で影響がでていますが、
裁判所も4月27日現在のところ、例外ではありません。
具体的には、神戸家庭裁判所姫路支部の場合、離婚調停や離婚訴訟等につき、4月に予定されていた期日は
すべて取り消しの上、期日変更となっており、5月の連休以降や、6月に移し替えられています。
この点、離婚調停の成立が目前のものなどについては、当事者が裁判所に出頭することなく、文書を裁判所が当事者に送達し、一定期間、不服申し立てが
なければ、その内容どおり確定する、「 ...
離婚事件における仮差押等の保全処分について
訴訟で判決を得るまでの間に、相手方が財産を隠したり、処分するおそれがあり、
判決を得ても訴訟の目的が達成できなくなるおそれがある場合に、不動産、動産、債権などについて
仮差押ができることは比較的知られているかと思われます。
それでは、離婚事件において保全処分の利用はどのように行うことが可能でしょうか。
まず、離婚が成立する前の段階についてかんがえます。財産分与や離婚せざるを得なくなった事による離婚慰謝料などは、
離婚訴訟において、離婚請求に付随して申し立てること ...
離婚成立前の別居開始時の子の「連れ去り」について
夫婦間に未成年の子がいる場合、離婚を成立するに際し、親権者を決める必要があることは
ご存じの方も多いかと思われます。
離婚の協議や調停等を行うに際し、夫婦が同居の状態で進めることもありますが、
離婚調停等の当事者が同じ家に住んだ状態で話しを進めることは、精神的な苦痛が大きいため、
別居を行った上で離婚の協議や調停等を行う事も多いかと思われます。
(当事務所がこれまで解決してきた事案でも、同居事案よりも別居事案の方が数として圧倒的に多いです。)
このよ ...
新・婚姻費用・養育費算定表-③特別経費の金額(住居関係費、学習費)
離婚までの間の別居中の生活費である婚姻費用、離婚後の子の生活費である養育費を
考える上で、新算定表を理解しておく必要があります。
今回は、住居関係費、学習費についてお話しします。
別居を行った場合でも、例えば婚姻費用の支払義務者が出ていった場合などは、
自宅に婚姻費用の権利者が住み続けることとなります。
自宅の住宅ローンが残っており、ローンや不動産の所有者が相手方名義である場合、
相手方が離婚までの間の別居中、毎月、ローンを払い続けることで、事実上、権利者側の ...
新婚姻費用・養育費算定表-変更点2「基礎収入割合」「特別の経費」など
既にご承知の方も多いかと思いますが、離婚時に合わせて取り決めを行うことが多い、
離婚成立までの間の別居中の生活費(婚姻費用)や離婚成立後の子の生活費(養育費)については、
裁判所の用いる算定表が昨年12月23日に改訂されています。
基本的な考え方や算定表自体は、最高裁のホームページにて公表されており、知ることができます。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/
し ...
年末年始営業日のご案内
早いもので、年の瀬が近づいて参りました。
本年も離婚問題につき、多数の方にご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
来年もみな様の離婚問題をよりよく解決できるよう、お力になれたらと存じます。
本年の当事務所の営業は、12月26日(木)まで、来年の仕事始めは、
1月6日(月)からとなっておりますので、離婚問題のご相談をお急ぎの方は
お早めにご予約をいただけたらと存じます。
来年度も何卒よろしくお願い申し上げます。 ...
12月23日新しい婚姻費用・養育費の算定表について
既に新聞報道されているとおり、別居後離婚成立までの間の
婚姻費用や離婚後の養育費については、最高裁判所の司法研究により
本日令和元年12月23日、算定表の改訂がなされました。
これは、生活費の要素となる、教育費や租税公課など様々な費用が
変動しており、15年ほど前に作られた従前の算定表では、実態と合わないのではないか、
という観点から見直されたものです。
今回の見直しにより、子の生活費指数(大人を100とした場合の生活費の割合)は従前であれば、14歳 ...
大学進学費用と養育費の終期について
お子様がいる場合、離婚時に養育費の取り決めを行うことが多いですが、
しばしば問題となるのは、①大学進学費用の取り扱い、②養育費の終期を何歳までとするかの点です。
①大学進学費用については、大学進学を了承していたか否かや、夫婦双方の学歴、収入等により個別に
検討します。ただし、大学進学を了承していた場合でも、夫婦の収入等によっては、国立大学の標準学費を基礎として、
算定表で考慮済みである公立高校の年間標準額費を超えた部分について、収入割合で按分するとか、奨学金の全部または一部を考慮し、 ...
婚姻費用、養育費の算定表の見直しについて
別居中の離婚成立までの間の生活費である婚姻費用や、離婚後の養育費について、
いわゆる「算定表」にもとづき金額の算定がなされているところ、
既に新聞報道がなされているとおり、この度、最高裁が算定表の見直しを
行うこととなりました。
見直しの発表は、令和元年12月23日の予定とされており、最高裁のホームページや公刊物なので
公表される予定です。
現在、婚姻費用や離婚、養育費の調停、審判が裁判所に係属している案件では、
裁判所は、婚姻費用、養育費の算定表の見 ...
離婚原因「悪意の遺棄」について
夫婦が離婚に合意すれば離婚できるのはもちろんの事ですが、
合意できない場合でも、法律上の離婚原因があると認定されると、
訴訟において、判決で離婚が裁判所により認められます。
法律上の離婚原因の1つとして、民法770条1項2号は、
「悪意の遺棄」を定めています。
時々、相手方が別居を一方的に行った上、生活費を負担してくれなくなったから悪意の遺棄に当たるのではないか?
との質問をお受けすることがあります。
「悪意の遺棄」とは、正当な理由のない ...